ゴルフではなぜ「ヤード」を使うの?その謎を徹底解説!
ゴルフ初心者の方は、ゴルフにおける距離は「ヤード」を使うことに疑問を持つ方が多いかと思います。
日常生活では「メートル」を使うことが多い為、そもそも「1ヤード」がどのくらいの距離を表すのかピンとこないですよね。
ではなぜゴルフでは「メートル」ではなく「ヤード」が使われているのでしょうか?そしてそれは世界共通なのでしょうか?
今回はゴルフと「ヤード」の関係と、ラウンド中の「ヤード」の測り方をご紹介します。
1 「ヤード」とは?
1-1 1ヤード=0.9144メートル
そもそも「ヤード(Yard)」とは、主にイギリスやアメリカ合衆国で用いられる「ヤード・ポンド法」における長さの単位のことを指します。単位記号は「yd」と表記されます。
日本人に馴染みのある「メートル」に変換すると1ヤードは0.9144メートル。丁度1メートルまでいかないくらいの長さです。
「ヤード」は、かつてヨーロッパの国々で広く使用されてきたものの、現在ではイギリスとアメリカのみでしか使用されていないとされています。
1-2 なぜゴルフで「ヤード」が採用されたの?
なぜゴルフで「ヤード」が用いられるのかというと、その理由はゴルフの発祥地が関係していると言われています。
ゴルフの起源は諸説ありますが、主にイギリスやスコットランドが発祥である、と聞く方が多いかと思います。
イギリスは、世界共通単位のひとつである「メートル法」ではなく「ヤード・ポンド法」が採用されている国のひとつです。そういった経緯から、ゴルフでは距離を測る単位として「ヤード」が使用されてきました。
1-3 ゴルフにおける「ヤード」表示は世界共通ではない
そんな「ゴルフ=ヤード」のイメージが強い単位ですが、実はゴルフにおける「ヤード」という単位を使用しているのは主にイギリス、アメリカ、日本だけなのです。
その理由は1875年にフランスで締結された「メートル条約」。その条約にて、国際的な長さの単位を統一して「メートル」と表示することとなりました。
それに伴い、ゴルフでも「メートル」表示を採用する国がほとんどとなりました。
実際、イギリスを除くヨーロッパや韓国、オーストラリア、そのほかほとんどの国では「ヤード」ではなく「メートル」表示が採用されています。
しかし、イギリスやアメリカ、その隣国では未だに「ヤード・ポンド法」が使い続けられています。
そして不思議なことに日本での日常生活は「メートル」表示が採用されているにもかかわらず、ゴルフにおいては未だ「ヤード」表示が採用されています。
2 なぜ日本におけるゴルフでは「ヤード」が採用され続けているのか?
日本における最初のゴルフ場は1901年・神戸市にイギリス人によって作られた神戸ゴルフ倶楽部でした。
そのころからゴルフにおける「ヤード」は使用されており、日本国内でもゴルフが発展すると共に、「ヤード」も根付いていったとされています。
2-1 日本でも「メートル」表記の時代があった!
ゴルフでは「ヤード」表記が一般的として発展してきた日本ですが、1970年後半に日本でも「ヤード」表示を「メートル」表示に変更したことがあるのです。
その原因は「商行為においてはメートル法で」という現在の経済産業省による勧告であり、ゴルフ場の表記からスコアカードまで全てを「メートル」表示に刷新したそう。それまで「ヤード」を使用してきたプレーヤーやゴルフ場はとても戸惑ったことでしょう…!
このように日本でも一度「ヤード」ではなく、「メートル」でゴルフを楽しむ時代があったのです。しかし、ヤードで覚えたゴルファーから不平不満の声が上がり、日本のゴルフ業界は再び「ヤード」表記へと戻したそう。
結局、日本におけるゴルフの「メートル」表記はたった4~5年の期間のみであったそう。
2-2 しかしグリーン上では「メートル」を使う不思議
ここまで、日本におけるゴルフでは「ヤード」を主に使用すると言ってきましたが、実はホール最後のグリーン上では「メートル」を使うことをご存知ですか?
なぜ、グリーンでは「ヤード」ではなく「メートル」を使用するのか?
その理由は、カップから距離が近くになるにつれ、「0.5ヤード」など「ヤード」での表現が難しくわかりにくいから、と言われています。
さらにアメリカやイギリスでは、グリーンでは「ヤード」よりも単位の小さい「フィート」を使用するのですが、日本人にとっては「フィート」という単位に馴染みがありません。
そのため、グリーンでは「残り30センチ」など、日本人にとって日常生活でも馴染みやすく距離もイメージしやすい「センチメートル」や「メートル」を使用している、と言われています。
3 様々なヤードの測り方
3-1 ヤード杭から測る
2打目以降からグリーンまでの残り距離を測る場合に、距離の目安となるのがコースの両端に刺されている「ヤード杭」。
杭自体に「150」などの距離の数字が書いてあることがあったり、色で表示していたりしますが、もっとも一般的なのが「線で距離を表す杭」です。
一般的には、「1本線=残り100ヤード」、「2本線=残り150ヤード」、「3本線=残り200ヤード」とされています。自分のボールがどの杭の近くにあるか、もしくはどの杭とどの杭の間にあるかで残り距離を判断します。
3-1-1 ヤード杭で注意すべき「どこまでの距離を表記しているのか?」
ヤード杭で距離を測る際に注意したいのが、その残り距離がグリーンエッジまでなのか、もしくはグリーンセンターまでなのか、というところ。
一般的にはグリーンセンターまでの距離を表していることが多いそうですが、違った場合は使うクラブも変わってくるはずですので、ラウンド前にマスター室で確認しておくことをおすすめします。
3-1-2 ヤード杭で注意すべき「グリーンが2つある場合」
上記に加えて気をつけたいのが、コースに2つのグリーンが存在する場合。
そのようなコースでは一般的には「左のヤード杭=左のグリーンまでの距離」、「右のヤード杭=右のグリーンまでの距離」であることが多いので、覚えておくと良いでしょう。
3-2 カートについているGPSから測る
近年ではゴルフ場のカートにGPS機能が搭載されているものも多く存在しています。
フェアウェイへの乗り込みが可能なゴルフ場ではカートでボール位置の近くまで行き、ピンまでの距離が簡単に把握することができます。
フェアウェイへのカート乗り込みが不可であるゴルフ場でも、ボールに近い距離にカートを止めることで大体の距離感が把握できるので、初心者の方でもわかりやすいですね。
3-3 ゴルフの飛距離計で測る
自分の位置からピンまで(目標地)をより正確に測ることができるのが、ゴルフ用の飛距離計。
ゴルフ用の飛距離計には「レーザータイプ」と「GPSタイプ」などの種類が存在しています。ゴルフ用の飛距離計を使用することによって、瞬時に正確な距離がわかるのでスロープレーを防ぐことにも役立ちます。
値段はGPSタイプで約6,000円ほど。レーザータイプは高価なものが多いですので、初心者のかたはGPSタイプから使ってみるのも良いでしょう。
3-4 歩測で測る
グリーンで距離を測る際に、身につけておくと便利なのが「歩幅」で距離を測るという方法。
日本の成人男性であれば、「大きい1歩=だいたい1ヤード」と言われています。その歩幅をキープしてボールからピンまで歩くことで大体の距離を測ることができるでしょう。
3-5 スマートフォンのアプリで測る
高価な飛距離計を買わなくても、最近ではスマートフォンのアプリで計測できるものもあります。
ものによっては有料のものありますが、無料のアプリもありますので、試してみるのも良いかと思います。
まだ飛距離計を買うほどゴルフにハマるかわからない…!という初心者ゴルファーの方は特におすすめ。
ただし、かなりのバッテリーを使うようなので、注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
日本におけるゴルフでは「ヤード」を使うことが一般的で、それが世界共通であると思いきや実は「少数派」であったなんて驚きですね!
初心者ゴルファーの方は最初はやはり「メートル」で表記されていた方がわかりやすい!と思う方が多いかと思います。しかし、ゴルフに慣れ親しんでくると、「ヤード」が当たり前となり、「ヤード」で考えられるようになります。
その為にも、日頃から「ヤード」を意識して練習に励みましょう!

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