プロゴルフ界「日本ツアー」と「アメリカツアー」におけるシード権の仕組みとは? | CLUNK クランクゴルフ公式サイト

プロゴルフ界「日本ツアー」と「アメリカツアー」におけるシード権の仕組みとは?

よくスポーツ界で耳にする「シード権」。いろんなスポーツの大会でシード権は採用されていますよね。

実はプロゴルフ界もシード権が採用されています。

しかし、ゴルフにおけるシード権がいったいどういう仕組みであるか曖昧な方も多いかと思います。

男子ツアーや女子ツアー、そして日本とアメリカでも少し異なるゴルフツアーのシード権。今回は、それぞれのツアーにおけるシード権について、詳しくご紹介します。

1 ゴルフにおける「シード権」とは?

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シード権とは、プロゴルフのトーナメントにおいて、翌年のトーナメントの出場権のことを指します。

そもそもゴルフ界では、「プロテスト」というものに合格すると「プロゴルファー」と名乗ることができます。しかしそれはあくまでも「プロゴルファー」の資格であって、プロゴルファーであれば誰でもトーナメントに出場できる、というものではないのです。

よくテレビで中継しているような強豪選手がたちが出場する各ツアーに出場するためには、「シード」権が必要なのです。ですから、ツアープロというものは、数ある難関を勝ち抜いてきたトップ中のトップ集団と言えるでしょう。

シード権は、男子であれば日本ゴルフツアー機構(JGTO)、女子であれば日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が管理しています。

2 男子プロゴルフファーがツアーシード権を獲得するには?

2-1 日本ツアー(JPGA)の場合

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2-1-1 賞金シード権

まず、翌年のすべてのツアーに出場できる選手は、前年度のツアー賞金ランキングの上位65人。

実は2019年度からツアー出場資格が変更しました。

それまでは、上位60人が翌年のすべてのツアーへ参戦できる「賞金シード権」、賞金シード獲得選手の次位15人までが、ツアーによって限定的に出場できる「第2シード権」を獲得でき、実質賞金ランク75位までの選手にツアー出場権が与えられていました。しかし、2019年度より「上位65人」の選手が翌年すべてのツアーに参戦できるよう変更されました。

ちなみに、賞金王(賞金ランク1位)の選手は、翌年から5年間すべてのトーナメントに出場できるシード権が得られます。

2-1-2 各トーナメント優勝者

男子プロのツアー・トーナメントは、年間に24試合開催されています。それぞれのトーナメント優勝者は、翌年のすべてのトーナメントへの出場権(シード権)を獲得することができます。

また、国内メジャー戦(公式戦)と呼ばれる3つのトーナメントで優勝した選手は、翌年から5年間、すべてのトーナメントへの出場権(シード権)を獲得することができます。

詳しくは、下記を確認してみましょう。

1. 国内メジャー戦(日本ゴルフツアー選手権/日本オープンゴルフ選手権/日本プロゴルフ選手権)優勝者(翌年から5年間の出場権)

2. ゴルフ日本シリーズ優勝者(翌年から3年間のシード権)

3. ツアー各トーナメント優勝者(翌年から2年間のシード権)

4. ツアートーナメント複数競技優勝者(年間2勝は翌年から3年間、年間3勝以上は翌年から4年間)

2-1-3 各トーナメント成績上位者

各トーナメント優勝者には、翌年のすべてのトーナメントへのシード権が与えられますが、上位に上がった選手には、翌年以降のそのトーナメントや、直近以降のトーナメントへのシード権が与えられます。

1. 前年度ツアー各トーナメント成績上位10以内の者(翌年のそのツアートーナメント)

2. 直近のツアートーナメントの成績上位10位以内の者(その年度内に行われる直後のツアートーナメント)

2-1-4 その他の出場資格

ツアートーナメントやチャレンジトーナメントでの上位者だけでなく、下記のような場合にもツアートーナメントへのシード権を獲得する場合があります。

1. 会長(JGTO)が推薦する者(そのツアートーナメント)

2. JGTツアーメンバーで米ツアー又は欧州ツアーメンバー資格取得者で出場資格を失うこととなった者(翌年1年間)
3. ワールドカップの日本代表出場選手、又は日韓対抗戦の日本代表出場者(出場した翌年から2年間)

4. 生涯獲得賞金ランク上位25位内の者(適応年度として本人が選択する1年間)

5. 特別保障制度を受けた者

2-1-5 「永久シード権」

永久シード権とは、1973年のツアー制施行以降のツアートーナメントで25勝した選手が獲得できる権利のこと。永久シード権を獲得した翌週以降、すべてのツアートーナメントへのシード権が与えられます。

2019年時点では、青木功選手や片山晋呉選手などの6名の錚錚たる選手が、この永久シード権を獲得しています。

2-1-6 シード権のない選手はチャレンジトーナメントとQTランクで上位になること

そもそものトーナメントに出場する権利獲得する上で欠かせないのが、チャレンジトーナメントとQT(クォリファイングトーナメント)です。

チャレンジトーナメントは、ツアートーナメントの下部ツアーのことで、年間約10試合程度の試合を行っています。

一方、QTとはツアートーナメントとチャレンジトーナメントに出場するために、まず出場しなければならない、いわば「登竜門」のようなもの。ファーストQT〜ファイナルQTまで4つのQTが存在し、セカンドQT以上の出場者にはQTランキングが与えられ、翌年度の「ツアープレーヤー」と呼称されます。

そして、そういった激戦を勝ち抜いた選手は、年間を通したツアートーナメントへのシード権が獲得できます。

1. 前年度チャレンジトーナメント賞金ランキング優勝者(翌年のツアートーナメントシード権)

2. 前年度チャレンジトーナメント賞金ランキング2位以降5~10人程度(人数はチャレンジツアー試合数に応じる。第1回リランキングまでのツアートーナメント出場権)

3. QTランキング1位の者(翌年のツアートーナメントシード権)

4. QTランキング2位以降19人(第1回リランキングまでのツアートーナメント出場権)

※2.と4.相互間における出場優先順位は、2.の上位者、4.の上位者の順で交互とする

2-2 アメリカツアー(PGA)の場合

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世界中のトッププロたちが集まる、最高峰レベルとも言われるアメリカツアー(PGAツアー)。日本人選手では、松山英樹選手などが活躍していますよね。

PGAツアーにもまた、日本と同様にシード権が存在します。

そもそも、PGAツアーの下にはWeb.com Tourという2部ツアー存在し、そこでもたくさんのツアープロが活躍しています。

さらに、以前までは日本と同様にQTを毎年開催していました。しかし、2019年よりQTを廃止。実績や性別、国籍問わず挑戦できたQTが廃止されたため、基本的にはPGAツアー、web.comツアー選手以外の選手が翌年のシード権を獲得できることができなくなりました。よって今まで以上にレベルの高い争いが行われることとなりました。

日本のようにアメリカツアーのシード権のシステムは下記となります。

1. PGAツアーレギュラーシーズン終了時、フェデックスカップ(プレーオフ)125位以内の選手(翌年PGAツアーシード権)

2. web.comツアーレギュラーシーズン賞金ランキング上位25人(翌年PGAツアーシード権)

3. PGAツアーレギュラーシーズン126位〜200位選手とweb.comツアー26位〜75位の選手がwe.comツアーファイナルシリーズに出場、ファイナルシリーズ上位25位の選手。(翌年PGAツアーシード権)

上記に加え、PGA各ツアーで優勝すると翌2年間、WGC(世界ゴルフ選手権)での優勝で翌3年間、メジャー大会での優勝で翌5年間のシード権が与えられるなど、日本と同様の仕組みも多数存在しています。

3 女子プロゴルファーがツアーシード権を獲得するには?

3-1 日本ツアー(JLPGA)の場合

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男子同様に、第一優先として前年度のLPGAツアー終了時点の賞金ランキング上位50位までの先週は、翌年のツアーシード権を獲得できます。さらには、女性ならではの産休制度から復帰した選手にシード権が与えられる制度も。詳しくは下記を見てみましょう。

3-1-1 出場シード権

1. LPGAツアーの競技終了時点及び前年度LPGAツアー終了時点の賞金ランキング上位50位までの者

2. 前年度LPGAツアーの競技優勝者で1.に該当しない者

3. トーナメント特別保証制度第5条第2項に該当する者

4. 産休制度を適用し、復帰する者

5. LPGAツアーで30勝した者(2019年時点で樋口久子選手ら6名)

6. 同一年度公式戦で4勝し、かつ該当年度LPGAツアー終了時点の賞金ランキング第1位の者(翌年より15年間)

7. 同一年度公式競技で4勝した者(翌年より10年間)

8. 同一年度公式競技で3勝し、かつ当該年度LPGAツアー終了時点の賞金ランキング第1位の者(翌年より10年間)

9. 同一年度公式競技で3勝した者(翌年より7年間)

10. 同一年度公式競技で2勝し、かつ当該年度LPGAツアー終了時点の賞金ランキング第2位の者(翌年より7年間)

11. 同一年度公式競技で2勝した者(翌年より5年間)

12. 公式競技で優勝し、かつ当該年度LPGAツアー終了時点の賞金ランキング第1位の者(翌年より5年間)

13. 公式競技で優勝した者(翌年より3年間)

14. 各年度LPGAツアー終了時点の賞金ランキング第1位の者(翌年より3年間)

15. 各年度LPGAツアー終了時点のメルセデス・ランキング第1位の者(翌年より3年間)

16. 前年度において国際ツアー登録選手であった者が、国際ツアー登録をせずにLPGAツアーに復帰する場合で、復帰する前年度末時点のロレックスランキング30位以内の者

17. 当該年度LPGAツアーの競技優勝者

18. 当該競技の前年度優勝者(臨時登録者を含む。)

19. トーナメント特別保障制度を適用し、復帰する者(ただし、保障競技終了まで。)

20. LPGAツアーの競技終了時点の賞金ランキング51〜55位の者(ただし、別途定めるリランキング制度において定められる第1回目のリランキング実施競技の直前の競技までに限り選出。)

3-1-2 その他の出場資格

1. 前年度新人戦優勝者(ただし、優勝した翌年度のLPGAツアーの第1戦目に限る)

2. 当該競技の直近の公式競技又は公認競技において、成績上位3位タイまでのTP登録者 (ただし、当該競技の次に行われる公認競技に限り、選出するものとする。また、選出される人数の上限は3人。)

3. トーナメント事業部が承認した者

4. リランキングリスト上位者(ただし、別途定めるリランキング制度において定められる第1回目のリランキング実施競技から選出。)

5. 主催者推薦選手

3-1-3 シード権のない選手はステップ・アップ・ツアーとQTランクで上位になること

男子のチャレンジトーナメントに代わるトーナメントとして存在するのがステップ・アップ・トーナメント。そして、LPGAツアー及びステップ・アップ・ツアーへの出場資格を決定するのがクォリファイイングトーナメント(QT)。男子ツアーにも存在するトーナメントです。

これらのトーナメントで上位の成績を残した選手にも、限定的ではありますがツアーへの出場権が与えられます。

1. 前年度LPGAステップ・アップ・ツアー終了時点の賞金ランキング第1位の者(ただし、別途定めるリランキング制度において定められる第1回目のリランキング実施競技の直前の競技までに限り選出するものとする。)

2. QTランキングリスト上位者(ただし、別途定めるリランキング制度において定められる第1回目のリランキング実施競技の直前の競技までに限り選出するものとする。)

男子同様、LPGAのツアーに参戦できる選手は限られていますので、かなり狭き門であることがわかるかと思います。

3-2 アメリカ女子ツアー(LPGA)の場合

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女子のアメリカツアーも、男子同様にLPGAツアーの2部組織としてSymetra Tour(シメトラツアー)というツアーが存在しています。さらに男子では廃止されていますが、LPGAツアー賞金ランク下位の選手やSymetra Tour上位選手が参戦できる「QT」も存在し、その中から勝ち抜いた選手がLPGAツアーへの出場資格を獲得することができます。

さらに2018年より、1st、2nd、3rdと3つのステージで構成されていた「QT」の3rdステージの名称を「Qステージ」に変更。

以前までは2ndステージ終了時点で80位タイまでが3rdステージに進出し、その後上位20人が翌シーズンのツアー出場権を獲得できました。しかし、変更後は2ndからの通過者は30人前後に縮小され、そこに該当年度のLPGAツアーとSymetra Tourのプレーヤーが大半を占めるような仕組みになったそう。

アメリカ女子ツアーのシード権のシステムは下記の通り。

1. LPGAツアーレギュラーシーズン上位80以内の選手(翌年PGAツアーシード権)

2. QTの3rdステージである「Qステージ」上位45位タイまでの選手

さらに男子同様、各ツアー優勝者は翌年のシード権が獲得できるなどの制度も存在しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

プロゴルファーの資格を持っていても、ツアーに参戦できる選手はごくわずかです。

そう考えると、普段テレビで見るプロゴルファーは、トップ中のトップとも言える選手だと改めて感じることができるかと思います。

トッププロたちの頂点に立つことは、きっと才能だけでなく並外れた努力によって成り立つのでしょう。

そんなことを考えながらゴルフ中継を見ると、もっとワクワクした気持ちなるかもしれませんね!